自分で考える~ひとつひとつの動きについて「なぜなのか」を意識する

2018.1.28 2019.6.13 藤沢合気道会 Day25

合気道の稽古では、体だけでなく頭も使います。

T先生の稽古法

当会のT先生は「○○(技名)を練習しましょう」という稽古はあまりなさいません。

お手本を見せて下さり
「ここを意識して、こういう動きをやってみて」とおっしゃることが多いです。

それを練習している我々の様子を見ながら
「それを発展させて、こうしてみて」
「ここから、こういう動きに繋げることも出来ます」
と枝分かれするように発展していきます。

まずは軸となる基本の動きを練習して「こうも出来る」「こうも崩せる」「こうやって投げることも可能」と先生は変幻自在。
毎回、なるほど~へぇ~ほぉ~と目から鱗が落ちます。

最初の頃は「この技の名前は??」と戸惑いました。
でも、技名にこだわるのは本末転倒だと、最近やっと気付きました。

まずは動きがあって、稽古しやすいように後から技名をつけただけ。技名が先にあって、動きを作ったわけではない」とのこと。
もちろん、審査時には技名を覚えなければいけないけど、一番大事なのは、きちんと動けることだと思いました。

本日の稽古内容

今日はこんな動きを練習しました。

相手に持たれた手は、親指を下に向けて、横に張る。
それによって空いた相手の脇をくぐりぬけて方向転換し、相手と同じ方向を向いた状態になる。
自分の手は、ずっと親指を下に向けた状態を保つことが大事だそうです。

ここから、絵の通り①②③など様々に動くことが出来ます。

「くぐる時の姿勢に気を付けて」と先輩。
のれんをくぐる時のように上体・頭を傾けてしまっていました。

Oさんは20cm以上背が高いはずなのに、上体を倒さずに私の脇をくぐります。
腰を落として、スッと動く。
なるほど~下半身で動くんですね。

①では相手の腕の三教のような張りを保ったまま、一緒に動きます。
引っ張ったり、押したりしないで、一緒に歩く。

②の投げる稽古では、自分のおへそから相手に向き直る動作で相手を動かし、腕と足両方を踏み出して投げる。

「この張りには賞味期限があるから、切れる前に投げましょう」とのこと。

③の一教のように崩す練習は、出稽古にいらしてたNさんと組みました。

私が技をかけます。
Nさんの顔の前20cm辺りに出した私の手に関して、質問されました。
「これ、何ですか?」
「えっと、当て身・・・?」のつもり。
当て身なら、相手がのけぞるくらいグッと出す。相手に失礼だから(顔に対しては)グーではなくパーでね。

次に、Nさんの脇をくぐって…あれ?くぐれない。
持たれた手を下方向でなく、しっかり横方向に張らないと、くぐる場所を作れませんよ。
確かに。自らを追い込んでしまいました。

最後にNさんの腕を持って、前へ崩す・・・崩れない。
相手をどこに動かしたいかを考えて。
「えっと・・・下?」
「そう。下だよね。下に崩したいのだから、垂直に引くのではなく、自分の歩幅を考えながら、下方向に向かってザザーッと動かないと。それから、なるべく相手の肩に近いところを持つといいですよ。」

なるほど。言われみれば、その通り。

ひとつひとつの動きについて「なぜなのか」を考えて動くべきなのだな、と実感しました。
教えてもらうまで、質問されるまで待つのではなく、自分で考えなければ。

子ども達に「これで合ってる?正解?」と聞かれるたび
「まず自分で考えてね~」と答えるのに、自分も同じことをしていました。
反省。

稽古のお土産

肩の軽い打撲

最後に

合気道の稽古にはいろいろなやり方があります。
同じ先生でも、その日の参加者の顔ぶれや力量によって、練習内容や方法が変わります。

稽古している動きにどんな意味があるのか、どうしてそういう動きになるのか、を理解することも必要です。
でも、頭でばかり考え過ぎると、体の反応が不自然になるので、バランスが難しいです。特に私のような頭でっかちなタイプは。

老化防止に脳トレゲームが流行っていたことがありますが、頭も手も足も、体全体を使う合気道は最高の脳トレになると思います。だから高齢の先生方も皆さんお若い。

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